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| 「花には1本1本、個性がある。その理想形を追い求めているんです。」バラの周年栽培を行なっている安彦園芸。目指しているのは日本一美しいバラを育てることと、その花を通じた生産者と消費者との顔の見える交流、そして、次代に伝える魅力のある農業の基盤づくりだ。 |
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| ハンデを乗り越えてバラの栽培に着手 「この地域でバラをつくるのは奇跡に近い」と言われたこともあったという。降雪量が多く、冬場の日照量も少ない鮭川村。バラの栽培にとっては、決して恵まれた条件とは言えない。しかし、「夏場は逆に冷涼な気候に恵まれ、ここならではの品質のよいバラができるんです。」と、花栽培キャリア20年の安彦社長は語る。 20代半ばからりんどうやゆりの栽培をはじめ、バラを手懸けたのは平成2年から。連作のできないりんどうにプラスして経営を安定させるためだった。その後、少しずつ規模を拡大し、平成5年に法人設立。硬質フィルムハウスを主体とした周年栽培へ向けて、施設・設備の充実はもちろん、従業員雇用の体制づくりにも力を入れてきた。 愛情と気配りが育てる 現在、安彦園芸ではハウス6棟1,200坪で約13種のバラを栽培している。ほかに、りんどうがハウス4棟200坪と露地150坪。従業員は社長も含めて5名。冬の豪雪に耐える頑丈なハウス内には、もちろん自動温度管理装置も設備されているが、やはり農業は農業。自然が相手ということには変わりがなく、よいバラを作るためには「人の肌で感じる微妙な温度管理。」が欠かせないそうだ。 「ちょっと違うなというのが何となくわかるんです。ハウス内といっても、特にこの辺りは自然の影響が大きい。その変化にどう対応していくか。難しいところでもあり、面白いところでもありますね。」従来の土耕からロックウール水耕栽培に切り替えたいま、花の成長に合わせて行なう肥料濃度の調整にも、安彦社長の細心の注意が注がれている。 花の色は時代を映す鏡 バラには毎年、新しい品種が登場する。更新品種をどれにするか。市場や花屋さんの情報だけでは足りない。時代の流行やファッション情報にもアンテナを広げている。収益を左右する重要な選択。反面、「これまでに見たこともない新種の花に真っ先に出会える。」という花栽培農家ならではの楽しみもあるそうだ。「景気のいい時には淡い色、悪い時には濃い色の花がよく売れるようです。その年の流行色も微妙に関係してきます。長く人気のある品種もありますが、最近は特に移り変りが激しいですね。」 バラを通じて生産者の想いを消費者へ 最後に、いいバラをつくるコツをうかがった。「やはり経験ですね。」と一言。失敗もあった。そこから学び取った経験が現在の自信につながっている。葉のバランス、花の大きさ、その品種のベストの状態を追求して日本一のバラをつくること。これが誰よりもバラの美しさに惹かれているという安彦社長の目標だ。そして、花づくりにかけるこのような生産者の想いを少しでも消費者に伝えようと、いま安彦園芸では一般家庭への直接配達という販路拡大も計画している。 「もっと手軽に花のある暮らしを楽しんでいただきたい。消費者との交流を通じて、生産者の想いを伝えられたり、生産現場が見えるようなつながりをつくっていきたいんです。」 |
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